匠シリーズとは 「今までにない」新しい石碑のデザイン
建築界の新鋭 都倉 泰信 建築界の新鋭 都倉 泰信
兵庫県立御影高校、金沢工業大学建築学科卒、マンゴーデザインアンドアーキテクト代表。
代表作:「比叡平の家」 「CIA OPANIC京都寺町店」
建築設計の領域にとどまらずロゴのデザイン等も手がけており、幅広く活動中。今後は多方面での
活躍も期待される新進建築設計士。

http://www.mango-pro.com
○デザインへの理解 ○テーマは「アフォーダンス」

デザインとは、見た感じの姿カタチを整える事と多くの方は理解されていますが、本来デザインとは機能要望に合わせて素材を選定し制作手順を考慮して部材構成を検討し予算、耐久性、経済性、安全性、使用感、メンテナンスなどを総合的に検証・考察する一連の作業を指します。

それは 「墓石のデザイン」といえども同じ事で、様々な条件に加え伝統やしきたり、作法や所作といった決まり事を踏まえ考えていかないといけません。

墓石は、そこに故人が祀られている標(しるし)であり、故人と現世に生きる我々とをリアルにつなぐインターフェースでもあります。私たちは墓地を訪れ墓石と故人を重ね合わせながら、心の中から語りかけ故人に思いを馳せます。
今回は、そういった故人との対話を大切にする考え方「対話のアフォーダンス」をテーマに墓石のデザインを行いました。

右の「都倉泰信 原案」を元に、「都倉モデル」「石元石材モデル」の2パターンモデルを作成しました。

都倉 泰信氏 原案
都倉モデル
都倉モデル

区画奥まで入り込む事ができるスペースをとり、十分な空間を確保した上、両サイドにベンチを向かい合わせることで、其処に腰を掛け墓石を囲み自然な形で故人との対話をアフォードする形態を考えました。

このような形態が自然なアクティビティを呼び覚まし、お参りした方々も故人もゆったりとした時間を過ごせる形状となるよう、デザイン処理を行いました。この墓石をお参りすることで、少し腰を掛け、故人と対話をすることで、あわただしくなりがちな墓参りを、ゆったりした時間が過ごせる様になればと期待しています。

都倉モデル
石元石材モデル
石元石材モデル

区画の中央を広めに取り、片サイドにはベンチを配置しております。

昔ながらのお墓のイメージを残しつつ、故人と対話する時間をゆったり落ち着いて過ごしていただきたいという思いを込め、石は現在主流の青みがけ石と黒みがけ石を使用し、階段など障害物になりそうな段差は設けずバリアフリーを基本に設定致しました。

石元石材モデル